観光地の記念スタンプやメモ書き、シールなどがあるパスポートは、渡航時に問題となる場合がある。外務省はタイの安全対策情報で、こうした記載のほか、ページの破れ・欠落、顔写真の汚損を理由に出入国を拒否された事例があると案内している。マチュピチュの記念スタンプをめぐる過去の報道も踏まえ、旅券の扱いを確認する。
正式な出入国印以外の記載が審査上の問題に
外務省の「タイ安全対策基礎データ」は、旅券のページに出入国スタンプや査証以外のものがあることで、出入国を拒否された事例があると記している。例として挙げられているのは、メモ書き、観光地の訪問記念スタンプ、小売店のポイントシールだ。旅の記録として押した印や貼付物でも、国際渡航に用いる旅券上では支障につながり得る。
外務省は同ページで、旅券の一部が破れている、ページが欠けている、名義人の顔写真が汚れている場合にも、出入国を拒否されることがあるとしている。確認すべき点は有効期限だけではなく、各ページや写真面を含む冊子全体の状態に及ぶ。
マチュピチュの記念スタンプをめぐる2020年の報道
英紙The Independentは2020年3月、マチュピチュ訪問を記念するスタンプがある英国旅券を所持した旅行者が、スペイン・マドリードからドーハ経由でタイ・プーケットへ向かう便への搭乗を拒否されたと報じた。記事によれば、航空会社のチェックイン担当者は、タイ当局による入国拒否の可能性を理由として説明したという。
同紙は、旅行者が後にタイへ到着したこと、追加費用が約1000ポンドに上ったとの本人の説明も掲載している。一方で、同紙の取材に対し、カタール航空とロンドンのタイ大使館はコメントを控えたとしており、この件は報道内容と旅行者の説明として位置付ける必要がある。
旅券は記念品ではなく渡航文書
外務省の案内が示すのは、正式な手続で付される出入国印や査証以外の書き込み・押印・貼付を避ける必要性だ。観光地で記念スタンプを見つけた場合は、パスポートではなく、別に用意したノートなどに残す方法を選ぶことができる。
すでに旅券に不要な記載や破損、汚れがある場合、その扱いは渡航先の当局や航空会社の判断にも関わる。出発直前ではなく、渡航準備の段階で旅券の状態を確認し、必要に応じて旅券に関する公的な案内を確認しておくことが重要となる。
タイの入国手続は変更される場合も
外務省は、タイ政府の査証・入国手続や規則は事前の通告なく変更される場合があるとして、最新情報を駐日タイ王国大使館、在大阪タイ王国総領事館、在福岡タイ王国総領事館、タイ王国入国管理局などで確認するよう案内している。旅券の状態に加え、渡航時点の入国要件も別途確認する必要がある。

