タイ入国管理警察は8月12日、バンコク・サーイマイ区のビザ申請コンサルティング会社を捜索し、銀行などの印章や金融書類、パソコンを押収した。欧州のある国の大使館から寄せられたビザ申請書類の不審点を端緒に捜査が進んだ事案で、警察発表に基づく押収品、書類照合の結果、顧客数に関する初期捜査の内容を整理する。
大使館からの情報を受け、申請書類を照合
タイ警察の発表によると、欧州のある国の大使館は、複数のタイ人によるビザ申請で提出された書類に不審点があるとして、入国管理警察に情報を提供した。特に銀行取引明細に、偽造文書に該当する可能性がある点が確認されたという。
捜査当局は大使館から受け取った資料を、口座を扱う銀行の実際の情報と照合した。その結果、5件で申請書類の氏名と実際の口座名義が一致せず、取引履歴にも銀行確認済みの情報と異なる改変が見つかったとしている。5件の申請では、渡航費用の支援者による支払いに同一の海外銀行発行クレジットカード番号が使われていたことも、警察が示した確認事項に含まれる。
8月12日に事務所を捜索、金融書類などを押収
入国管理警察第3管区の捜査部門はミンブリー刑事裁判所の捜索令状を得て、8月12日にサーイマイ区の会社事務所を捜索した。警察は8月17日に捜査結果を公表している。
警察発表では、銀行や各種機関のものとみられる印章、20点を超える偽造疑いの金融書類、デスクトップパソコン4台を押収した。現場では給与証明書、銀行取引明細なども確認されたといい、押収品は鑑定と関係者の特定に向けた捜査に回された。
顧客は400人超とする初期捜査、サービス料金は計1600万バーツ超
入国管理警察第3管区の責任者は、初期捜査で当該会社に関係する顧客が400人を超えるとみられると説明した。会社が顧客1人当たり約4万バーツのサービス料金を受け取っていたとされ、警察は総額を1600万バーツ超としている。
ただし、この人数と金額は捜査段階で警察が示した見通しであり、個々の利用者について書類作成への関与や認識が確定したことを意味しない。警察は押収した機器と書類を調べ、関係者の範囲を広げて捜査するとしている。
適用する容疑・罪名は今後の鑑定と捜査で判断
警察は、文書の偽造・偽造文書の使用や印章偽造に関する刑事犯罪に該当する可能性に言及した。一方で、正式な容疑や適用法令は、押収物の鑑定、証拠関係、捜査記録を踏まえて判断する方針だ。
現時点で公表されたのは、捜索、押収、書類照合に基づく捜査当局の説明である。捜査の進展により、関与者や具体的な法的評価が変更・追加される可能性がある。

