タイ商務省商業開発局(DBD)は、バンコク・ホワイクワンで宿泊、飲食、美容関連の事業所を対象に現地検査を実施したと公表した。外国人による無許可就労や違法な事業のほか、外国人事業に関する規制を回避する「ノミニー」利用の疑いが浮上したとしている。検査対象と当局の対応方針を整理する。
宿泊・飲食・美容関連の計9事業所を対象に検査
DBDは、内務省の作戦計画に基づき、ホワイクワンで関係機関と合同の現地検査を行った。対象は日単位で貸し出す宿泊施設3カ所、飲食店4カ所、酒類販売店1カ所、美容・サロン1カ所だった。
当局の発表によると、検査では違法な事業行為と、就労許可を持たない外国人の就労が確認された。発表は個別の事業者名や違反内容の詳細を示していない。
外国人が実質運営する「ノミニー」の可能性を調査
今回の検査では、外国人が規制対象の事業を実質的に運営しつつ、タイ人を名義上の株主に置いている可能性も焦点となった。タイでは外国人による事業への参入に規制があり、形式上の株主構成だけで実態を判断しない取り締まりが進められている。
DBDは、法律事務所や会計事務所が会社設立を手がけ、タイ人株主を用意している可能性があるとの見方を示した。これは現時点で当局が示した疑いであり、個別企業の違反が確定したことを意味するものではない。
商務省は関係機関と厳格な法執行を継続へ
DBDは、関係機関と連携して法令を厳格に執行する方針を表明した。検査は、宿泊や飲食など生活者との接点が多い業種を横断して実施され、就労資格と法人の実態の双方を確認する形となった。
当局の公表内容からは、無許可就労への対応に加え、外国人事業規制を潜脱する名義利用の有無を調べることが、今回の取り締まりの柱であることが分かる。今後の処分や個別案件の結論については、当局による追加の説明が待たれる。

