バンコクで7月25日に開かれたイベントで、中国人来場者と運営スタッフの間に起きた対応を巡り、在タイ中国大使館は当事者からの申し出を受け、関係者に速やかな調査と適切な処理を求めた。主催側は、外部スタッフが状況に見合わない力を使った場面があったと認め、当該スタッフの業務を停止している。
7月25日のイベントで生じた来場者対応
事案は2026年7月25日、バンコクの書籍フェア会場で起きた。中国大使館は7月28日、中国人市民が会場から力を伴って退出させられたとの申し出を受けたと公表した。大使館は、イベント主催者が「当時必要とされる範囲を超える力」が使われたことを認めたとの説明にも言及している。
会場で何が起きたかを巡っては、タイ側と中国側のソーシャルメディア上で異なる説明が広がった。英字紙The Nationは、場所の確保を巡るやり取りからスタッフが女性を退出させようとし、身体を拘束する場面があったと報じた。一方で、最初にどの行為があったのか、スタッフの対応がどの程度適切だったのかについては、当事者を含む複数の主張が一致していない。
大使館は関係者に事実確認を求める
中国大使館は、関係者に対して事実関係を早急に調べ、適切に取り扱うよう求めた。また、自らの責務の範囲で当該中国人に必要な支援を行い、合法的な権利と利益を守るとしている。これは、会場でのやり取りの全容を大使館が確定したという発表ではなく、申し出を受けた段階での対応方針を示したものだ。
The Nationによると、タイの副首相兼外相も事実確認のための調査を指示した。報道では、調査を終えた上で次の対応を検討する考えが示されており、現時点で当事者間の主張の正否を断定する状況にはない。
主催側は外部スタッフを停止し、監督を見直す方針
イベントに関わったGMMTVは予備的な確認の結果、状況に照らして適切でない力が使われた場面があったと説明した。当該者は同社の常勤社員ではなく、イベントのために雇用された外部スタッフだという。それでも同社は、活動に配置する人員の監督責任を認め、事実確認が終わるまで業務を停止した。
同社は暴力を支持しないとの立場を示すとともに、将来のイベントで同様の事態を防ぐため、配置人員に対する監督を見直す方針を表明した。また、国籍や人種を理由とする差別を行う方針はないと説明している。
確認できた範囲と、今回の記事で扱わない事項
本記事では、中国大使館が公表した7月28日付の声明と、主催側の対応を報じた独立系報道により確認できる範囲を記した。大使館が中国人に対し、タイの法令や文化、イベント規則の尊重を広く呼びかけたとする8月8日付の注意喚起については、確認時点で大使館による該当する公表本文を確認できなかった。
また、入力資料の公開日時は2026年8月10日だが、検証時点は8月9日であり、日付上は将来に当たる。このため、本記事は当該注意喚起を既に発表済みの事実としては扱わず、公式に確認できた7月の事案と各機関の公表内容に限定した。

