タイ国立公園・野生動植物局は、国立公園の宿泊施設と運営をめぐる国会予算委員の発言を受け、シミラン諸島国立公園では2018年から観光客の島内宿泊を取りやめていると説明した。旧宿泊施設の用途変更や、離島・奥地における電力などの管理方針を整理する。
予算法案審議で示された国立公園への批判
タイ国立公園・野生動植物局は2026年8月5日、2027年度予算法案を審議する特別委員会で出た国立公園の施設・運営に関する指摘について声明を出した。声明によると、委員を務めるウィーラ・ティーラパッタラーノン氏は、約4年前に国立公園で宿泊した経験に触れ、サービスと宿泊環境の質を厳しく批判したという。
同局が紹介した発言内容には、夜間の電力停止、寝具の状態、水の利用、通信環境に関する指摘が含まれる。また、運営や投資への民間参加を検討すべきだとの提案も示された。これに対し同局は、観光のあり方と保全区域の設備管理について、事実関係を説明する必要があるとして声明を公表した。
シミラン諸島では日帰り観光へ移行
声明は、シミラン諸島国立公園では2018年10月4日付の告示により、島内での宿泊を廃止したとしている。告示は同年10月8日に官報へ掲載され、以後は日帰り観光のみを対象としているという。
同局は、観光客の滞在に伴うごみと排水が環境へ与える影響への対応として、この措置を実施したと説明した。資源の回復を進め、海洋生態系への負荷を抑えることが目的だとしている。今回の声明時点で、宿泊廃止から約8年が経過したとの位置付けである。
旧宿泊施設は職員の活動拠点に変更
ミアン島にあるフーヨン宿泊施設は、以前は観光客向けに使われていたが、宿泊の廃止後は職員用施設へ用途を変更した。同局によれば、現在は現場で勤務する職員の活動や公務のために使用しており、一般の観光客には提供していない。
この説明は、観光客向けの滞在施設と、保全区域で働く職員のための拠点を区別する内容となっている。シミラン諸島では観光客の宿泊再開ではなく、日帰り利用を前提とした管理が続けられている。
電力・水・通信は保全区域の条件下で管理
離島や森林奥地では、電力、水道、通信の整備・運用に地理的な制約があると同局は説明した。一部では太陽光発電を用い、電力の供給時間を管理している。安全面や過度なエネルギー使用への対応に加え、人工の光や音が野生動物の行動を妨げないようにする狙いも挙げた。
同局は寄せられた意見を受け止めるとし、職員の生活・勤務環境と、観光客が利用する区域の清潔さや利便性について、改善を進める方針を示した。これは同局の説明と今後の方針であり、委員による宿泊体験の場所や施設の状態そのものを同局が個別に確定したものではない。

